世界のみなさんへ
新しい形で歌をとどけたい
時空を超えて世界を旅する歌手・松田美緒。
2020年、多くの人々が自宅で過ごさなければならない中で、
LIVE を開催することも聴きに行くことも難しくなりました。
そのような状況で生まれた、世界中の皆さんへ歌を届けるための
新しいカタチ、それが” Through the Window”。
ライブ配信という手段で、自宅で過ごされる皆さんのパソコンの窓を
通じて、毎回様々な場所から世界の歌をお届けするシリーズです。
Illustration / Ryo Watanabe
松田 美緒
Mio Matsuda
ポルトガル語やスペイン語圏など世界中で音楽活動を重ねる、歌う旅人。
20 代の頃、リスボンに暮らしファドを歌い、大西洋の島々や南米に活動を広げる。
2005 年ブラジル録音の『アトランティカ』でビクターよりデビュー。
以後、南米、ヨーロッパで現地を代表するアーティストと公演、 アルバムを制作。
近年、日本内外の忘れられた歌の発掘を始め、14 年に CD ブック
『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』を発表。
16、17 年読売テレビ『NNN ドキュメント』でその活動を追った番組 二作が放映された。
19 年、大分の歌の発掘プロジェクトによるアルバムおおいたのうた』と、
かつてのブラジル移民の人たちの想いがつまった歌集 として松田美緒+土取利行
『月の夜のコロニア~ブラジル移民のうた』を発表。
時空を超えるその歌声には、彼女が旅した様々な土地の記憶が宿っている。
ディレクター
古木 洋平
Yohei Cogi
キューバの旅をきっかけに僕は映画を撮り始めた。
たまたま安宿の2段ベッドに泊まった男・亀井岳氏のモンゴル話で盛り上がり、その1年後にはモンゴルの地で映画を撮っていた。この頃から旅をしながら映画をつくるということがテーマになった。
美緒さんと出会ったのは、宮津市での映像制作プロジェクト。松田法子先生(京都府立大学)が、かつて栄えた花街の記憶を辿る旅のなかで、美緒さんと芸妓の唄を共に探した。土地の歌を掘りおこし、美緒さんの身体を通して再生されるその歌声は、その場所で積まれてきた響きを共感する感動があった。のちに、大分のうたを探す旅に誘われ、僕らは短編ドキュメンタリーを制作した。
土地を歌で歩く旅人。松田美緒さんは、僕の映画の主人公なのだ。それはライブ配信という形の中でも同じで、パソコンの窓の中でエネルギーを放つ旅をする主人公の姿に、人生に、観客の皆さんが感動してもらえればと願い制作している。
ディレクター / 古木洋平